2012年11月6日火曜日

ライフデザイン:ダビデ王の生涯

ダビデ王


聖書の人物はたいへん興味深い人生を歩んでいます。
特に 旧約聖書に登場する人物の人生物語は 成功も失敗も正直に記録されています。
そこから 私たちの生き方も学ぶことができます。
今回は ダビデの人生をご紹介し、私が学んだことを記したいと思います。
ダビデ王は約3,000年前の人物です。
ダビデの子どもが、ソロモン王です。
日本では ソロモン王の名前の方が有名ですね。
では・・・少し長いですが 読んで頂ければ幸いです。

《ダビデ王が登場する聖書箇所》
  ・Ⅰサムエル16章〜31章・・・・(ダビデの油注ぎとサウル王との葛藤)
  ・Ⅱサムエル1章〜24章・・・・・(ダビデの治世の記録)
  ・Ⅰ列王記1章〜2章・・・・・・・(ソロモンへの遺言)
  ・Ⅰ歴代誌2章〜29章・・・・・・(神殿建築の準備)
  ・詩編を73 書きました

  ・ 新約聖書では・・・・・・・・・・ダビデの名前が58出てきます。


ダビデの一生を誕生から70歳で死ぬまでを年表にしてみました
赤い帯:彼が30歳から70歳までの王としての人生を表しています

《序》
  私は最近、妻と話していて分かったことがあります。
  妻に言わせれば・・・37年間言い続けてきたことがようやく分かったのね!というこ
  とで、呆れられたのですが。
  
  話しはこういうことです・・・
  ・ 私は、何かと自分が正しい・相手が悪い、と責任転嫁する傾向がありました。 
    これは、人に良く思われたいために、自分の意見はさておいて・・・
人に合わせて
   しまう。それは結局、自分を守り大事にする、自己中心の生き方ではないか?

    ・信仰者であれば・・・
「神の声」を聞きつつ、「神中心」に歩むことが大切なはずです。
    ・私はツイそれを忘れて、「人中心」で生きることが多かったです。
   そのことを率直に認め、悔い改めて、「神中心」に歩むことを祈った次第です。 
   
    一方、
今日取り上げた「ダビデ」の場合は
(私と正反対に)生まれたときから
「神さま
  を第1に愛する生き方」であり、生来「正直」で「公平」で、
間違いが分かれば心底認めて「悔い改める」、
「神中心」の生き方の人物でした。
    私は、
ダビデの生涯を見たときに、如何に彼が神に愛されてきたか?
分かる気がしました。

  ここでは、「ライフデザイン」という視点から、
  ダビデの人生を学んでみたいと思います。



《人生区分》
  ダビデの人生は、3つに区切ることができます。
  
    第1期:少年時代・・・・・・・・ 0歳〜12
    ◎Ⅰサムエル1617
     ・ベツレヘムのエッサイの末息子8男(父親から忘れられそうな存在)
     ・父の羊を飼っていた羊飼いで竪琴の名手でした
     ・神さまに絶大な信頼を置く若者でした
    

  2期:サウルに仕え、また逃亡した時期・・・13歳〜30歳の17年間
    Ⅰサムエル17章〜31
  ・少年ダビデが石ひとつで巨人ゴリアテを倒す

2メートルを越えると言われた巨人ゴリアテを倒す
     ・サウル王の宮廷に仕え、王の癇癪を竪琴で慰めた
     ・王の娘ミカルと結婚(19歳)
     ・戦士として数々の戦勝をあげた。「サウルは千を打ち、ダビデは万を打った」
      と民衆に讃えられた優れた戦士でした
     ・王の長男ヨナタンとの熱い友情に助けられる
     ・サウル王の妬みと嫉妬を逃れて、逃避行が続いた(10年以上)
     ・アビガイルとアヒノアムと結婚(24歳)
     ・嘘(二枚舌)をつき気違いのまねをまでして逃げまわるという、人生最大の困
      難と失意を体験した。しかし、それでもダビデを慕う600人の部下がいた。
     ・どん底から、再び主に賴りたのむことを思いだし立ち直る

嫉妬に狂いダビデに襲い掛かるサウル王
   
  3期:王としての時期・・・30歳から70(紀元前1010年頃から40年間)
           (ダビデは三十歳で王となり、四十年間、王であった:2サムエル 5:4 )

        ①Ⅱサムエル1章〜24(ダビデの治世の記録)
     ②Ⅰ列王記1章〜2(ソロモンへの遺言)
     ③Ⅰ歴代誌2章〜29(神殿建築の準備)
   
  ・サウルとヨナタンが戦死することによって、
  ダビデがユダの王として油注がれる。
  その結果・・・
   王としてユダ族(ヘブロン)の地を治める(BC 1010:30
     一方この間、
サウルの子:イシュ・ボシェテは将軍アブネルの擁立により2年間イスラエルを治めた。
      ・7.5年後、イスラエルの全長老がダビデを王に推し、
エルサレムを奪還し、
全イスラエルをその後32.5年間統治した(BC1003年:37
 ・「神の箱」をエルサレムに無事に運び込み、
 天幕に納め、全焼と和解の生贄を捧げる(39歳)
      ・ペリシテ・モアブ・アラムなどを討伐し、行く先々で勝利を得る
    ・部族・氏族を越えて能力のある者を登用し、軍事態勢と行政体制を確立した
      ・全イスラエルで正しい裁きをした
      ・王国の繁栄時代を迎えた(BC993年:47歳)

預言者ナタンに罪を指摘され悔い改めるダビデ王

        ・子供が与えられ家庭生活がはじまった(ヘブロンで5男子、合計11人)
      ・バテ・シェバとの姦淫の罪(50歳)
   ・家族内抗争が激化(子供たちの養育の失敗が現実となる)~ナタンの預言
       の成就:三男アブシャロムの謀反と戦死
   ・自分の手で主の宮を建てたいと願いましたが、神に許されず,神殿づくり
       のための準備(資材や人材の確保)に奔走した
    ・人口調査を実施、主の怒りをかう(69歳)
     ・四男:アドニヤの王位をねらう反乱(69歳)
   ・ソロモンに油注ぎをし、王座につかせる(70歳:死の直前)
   ・ソロモンへの遺言〜全き心で主に仕えよ+主の宮を建設せよ(70歳:死)

死を迎えるデビデ王:ソロモンに遺言を託す
  

ダビデのライフデザインの特徴:3ポイント

ポイント1:「信仰」を生かした人生を歩みました

少年時代から「天性の信仰心」を見ることが出来ます。
詩編23には、それが良くあらわされています。
       ダビデの天分は、神さまと直結していると言うことです。
それはいつも主を賛美し、またよく祈っていたので、
主が彼によく答えて下さっていたのだと思います。
   主よ。あなたは私を探り、私を知っておられます。
詩篇 139:1 

   (聖書の神:天地創造の神)の力を信じていた

     ダビデの最初の信仰の挑戦は、強力な敵ペリシテ人と戦いでした。
巨人ゴリアテが有利だと、誰もがそう思いました。
しかし、ダビデだけは違っていました。
     彼は、これは主の戦いだから、自分が必ず勝つ
という信仰で戦いにひとりで臨んだのです。
     そして、ご存じのように「たった一個の石」で、ゴリアテを倒したのです。
     「私は、おまえがなぶったイスラエルの戦陣の神、万軍の主の御名によって、
      おまえに立ち向かうのだ。きょう、主はおまえを私の手に渡される。
           ・・・この戦いは主の戦いだ。主はおまえたちをわれわれの手に渡される。」
           1サムエル 17:4547

   神の権威を第1とする信仰の原則を守っていました
    
       サウル王の妬みで命を狙われたダビデは、サウル王を殺すチャンスがあったに
     もかかわらずに、「主に油注がれた方」を殺すことはなかったのです。
     それは、神が選ばれた者(サウル王)を傷つけないという、
     神の権威を大切にしたからです。
   「私が、主に油そそがれた方に手を下すなど、主の前に絶対にできないことだ。」
      1サムエル 26:11
    
   ③主に助けと導きを求めました
    
  ・逆境の時
     ダビデは人生でどん底に落ちたときが何度もありました。
     サウル王に追われ、何度となく命を狙われ、
     ガテの王アキシュのもとに助けを求めた時期に、
     アキシュを恐れ気が狂ったふりをしたとき。
      「主よ。私はあなたに身を避けています。私が決して恥を見ないようにして
      ください。あなたの義によって、私を助け出してください。
            私に耳を傾け、早く私を救い出してください。私の力の岩となり、強いとり
            でとなって、私を救ってください」 
      詩篇 31:13  
    
   戦いの前
     Ⅰサムエル記23章では、ケイラを攻めるべきかどうか、主に問いました。
  ダビデは、祭司エブヤタルに言った。
 「エポデを持って来なさい。」
            そしてダビデは言った。
「イスラエルの神、主よ。あなたのしもべは、
            ケイラの者たちは私を彼の手に引き渡すでしょうか。
            サウルは、あなたのしもべが聞いたとおり下って来るでしょうか。
            イスラエルの神、主よ。どうか、あなたのしもべにお告げください。」
            主は仰せられた。
「彼は下って来る。」
            1サムエル 23:811 
     
     また、Ⅰサムエル記30章では、アマレク人との戦いに臨むべきかどうか、
     祭司エビヤタルにエボテを持って来させ、主に問いました。 
      ダビデは主に伺って言った。
「あの略奪隊を追うべきでしょうか。追いつけるでしょうか。」
すると主はお答えになった。
「追え。必ず追いつくことができる。必ず救い出すことができる。」  
1サムエル 30:8
     ダビデは、この命令に従い、勇敢に戦い勝利しました。




ポイント2:神の前に「謙遜な心」を持っていました

   ダビデとて、失敗や誘惑や恐れに翻弄されたことがありました。
  
罪を知ると 直に間違いを認め 完全に悔い改めました

 王になって20年が過ぎ、王国が安定してきた頃、50歳頃だと思われますが、 
   ウリヤの妻:バテ・シェバの淋浴を見て、気に入り召し入れました。
                その上、
 夫のウリヤが、戦死するように画策するという、恐ろしい罪を犯したのです。
      主が預言者ナタンを遣わし、その罪を指摘しましたが、
      ダビデはそれが大きな罪であることを即認め、
悔い改めました。
(Ⅱサムエル1112章)
            最初の子は、病で7日目に死にましたが、
          そのことを通してダビデは生まれ変わりました。
ダビデは、詩編の38編や32編そして51編で、罪を告白し、悔い改めています。
そして、主から「清い心」と「揺るがない霊」を頂くよう祈っています。

     神よ。御恵みによって、私に情けをかけ、あなたの豊かなあわれみによっ
     て、私のそむきの罪をぬぐい去ってください。
     どうか私の咎を、私から全く洗い去り、私の罪から、私をきよめてください。
              まことに、私は自分のそむきの罪を知っています。私の罪は、いつも私の
              目の前にあります。
              私はあなたに、ただあなたに、罪を犯し、あなたの御目に悪であることを
              行いました。それゆえ、あなたが宣告されるとき、あなたは正しく、さば
              かれるとき、あなたはきよくあられます。
                詩篇 51:14

 そして主は、ダビデの罪を完全に赦し、主はダビデを祝福し、男の子を与えました。
         その子は、ソロモン(エディデア:主に愛される者)と名付けられました。

家族づくりの失敗を認め、主に委ねた人生を歩むことのす
ばらしさを確認

ダビデは8人の妻を持ち、子供は11人いました。
さらに多くのそばめとその子供たちがいました。
その結果・・・
王座を狙う反乱が起こりました
しかし、老年期に入ったダビデは、
主に・・・

あなたの道を主にゆだねよ。
主に信頼せよ。
主が成し遂げてくださる。
主は、あなたの義を光のように、あなたのさばきを真昼のように輝かされる。
主の前に静まり、耐え忍んで主を待て。
私が若かったときも、また年老いた今も、正しい者が見捨てられたり、
その子孫が食べ物を請うのを見たことがない。
主を待ち望め。
その道を守れ。
そうすれば、主はあなたを高く上げて、地を受け継がせてくださる。 
詩篇 37

人口調査の間違いを認め、完全に主に立ち返りました

ダビデは、軍隊長ヨアブに命じて、全部族の人数を数えさせた。全土を巡
って9ヶ月と20日後にエルサレムに帰って来ました。しかし、主は禍を
もたらしました。

ダビデは、民を数えて後、良心のとがめを感じた。そこで、ダビデは主に言った。
「私は、このようなことをして、大きな罪を犯しました。主よ。今、あ
なたのしもべの咎を見のがしてください。私はほんとうに愚かなことを
しました。」  
2サムエル 24:10




ポイント3:使命を達成して 「有終の美」を迎えました

ダビデは、「神殿建設」が自分の人生の使命、と思っていました。(Ⅰ歴代誌22:7
 そのために「神の箱」をエルサレムに運び入れました(39歳)。
その時は、小躍り して喜び、祭壇に生贄を捧げて主を賛美しました。
しかし主は、ダビデが神殿建設をすることを望まれませんでした。(Ⅰ歴代誌22:8
神殿を建てる任務はダビデではなく,彼の後継者に託すのが主の御旨でした。
その理由は、ダビデが戦争で多くの血を流したからです。
主は、ダビデに次のように宣言されます。

        あなたの日数が満ち、あなたがあなたの先祖たちのもとに行くようになるなら、
         わたしは、あなたの息子の中から、あなたの世継ぎの子を、
         あなたのあとに起こし、彼の王国を確立させる。
         彼はわたしのために一つの家を建て、
わたしはその王座をとこしえまでも堅く立てる。   
1歴代誌 17:1112    
 
 その結果、

ダビデは自分の使命は、 
①神殿建設のために、資金や資材や人材の調達をすること
②後継者としてのソロモンに、王としての自覚を伝えることであることを悟ります。
(Ⅰ歴代誌22:141628章〜29章)

  そして・・・その最期は、主に祝福されたすばらしいものでした。

  彼は長寿に恵まれ、齢も富も誉れも満ち満ちて死んだ。

彼の子ソロモンが代わって王となった。 
(Ⅰ歴代誌29:28) 


サウル王国と拡大されたダビデ王国

《結論》

ダビデは、波乱に富んだ人生を歩みました。
実は・・・
聖書に登場する人物で「有終の美」を迎えて、
天に召された人はそう多くはありません。
ダビデは、使命をやり通して 見事に生涯を終えました。
私たちもそのような生涯を、送りたいものです。

そのためには・・・
ダビデに学んで、私たちも次の詩編のような信仰で歩むことが大切だと思います。

      主はわが巌、わがとりで、わが救い主、身を避けるわが岩、わが神。
わが盾、わが救いの角、わがやぐら。
ほめたたえられる方、この主を呼び求めると、
私は、敵から救われる。   
《詩篇 18:23


 

「わたしはダビデの根、また子孫、輝く明けの明星である。」
 黙示録 22:16
           と、イエス・キリストご自身が、ダビデとの関係の重要性を語っておられます。

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