2018年11月2日金曜日

  ライフデザイン:紅茶の世界

11月1日
紅茶の日

海難にあってロシアに漂着した日本人、伊勢の国(現在の三重県)の船主、
大黒屋光太夫他2名は、
ロシアに10年間滞在せざるを得なかった。
帰国の許可を得るまでの辛苦の生活のなかで、
ロシアの上流社会に普及しつつあったお茶会に招かれる幸運に恵まれた。
とりわけ1791年の11月には女帝エカテリーナ2世にも接見の栄に浴し、
茶会にも招かれたと考えられている。
そこから、
大黒屋光太夫が日本人として初めて外国での正式の茶会で
紅茶を飲んだ最初の人として、この日が定められた。
全日本紅茶協会が1983年に制定》


激動の時代:20世紀は
コーヒーが人気の飲み物でしたが・・・
平和を志向する21世紀
紅茶の時代!と言われています。
これから
益々、その人気は高まるのではないでしょうか?

《わが家のティーセット》










わが家は、パン食の時はミルクティーです。
イギリスで飲んだ紅茶は
どこで飲んでも美味しく
不思議に思ったものです。

水が合っている?
ミルクが良い?
紅茶の葉っぱが良い?
・・・
やはり葉っぱによるのではないでしょうか!
美味しい紅茶を楽しむために、わが家ではいろいろ工夫しています。


国産紅茶もいろいろあります。
例えば

 屋久島の有機栽培の紅茶
これはとても美味しい!



世界の紅茶

お茶は世界中で栽培されています。
日本では収穫は年に一度ですが
インドやスリランカやアフリカ等の暑い気候の土地は
年に数回の収穫があります。


《クリックすると拡大します》

お茶(紅茶)をたくさん飲んでいる国は?
1-アラブ首長国連邦
2-モロッコ
3−アイルランド
・・・

《クリックすると拡大します》


茶の生産量
《「Dear Tea Leaves」より転載》

お茶は中国が一番の生産量
中国は緑茶の生産が主


 紅茶の生産量
《「Dear Tea Leaves」より転載》
紅茶はインドが生産量世界一

  
紅茶の輸出量
《「Dear Tea Leaves」より転載》
紅茶の輸出量はスリランカが世界一



紅茶の歴史

●350年:中国で茶の栽培がはじまる


●805年:豊澄が唐から日本に茶種子を持ち帰り、近江に蒔く
 ●806年:空海が唐から日本に茶種子を持ち帰る
●7〜8世紀:お茶は高貴な人だけの飲み物でした
●16世紀:茶は中国から陸路と水路で世界に広がっていきます
     〜陸路で広まったものは「チャ」
 〜水路で広まったものは「テ」
と呼ばれます
●1610年:オランダ東インド会社がはじめて緑茶を輸入する
●1657年:イギリスにはじめて緑茶が輸入され、ロンドンで売り出される
(トーマス・ギャラウェイがコーヒーハウスで紅茶を提供する)



●1661年:ポルトガルのキャサリン王女が英国王チャールズⅡ世に嫁ぎ
宮廷(貴族階級)に砂糖と喫茶の文化を伝える

キャサリン王妃


●1669年:イギリス東インド会社が独自に中国茶(緑茶とウーロン茶)を輸入
●1689年:イギリスが中国の広東から茶の直輸入を開始
●1717年:トーマス・トワイニングがティーハウス「トムの店」を出す

TWININGS社のホームページより転載

飲み物といえばコーヒー、ジン、エールと考えられていた時代に、
珍しい紅茶を出す「トムの店」は、
ロンドン紳士から高い支持を得ました。
いずれ紅茶のブームが来ると考えたトーマスは、
今度は「トムの店」の隣に英国初の紅茶専門店「ゴールデンライオン」をオープン。
当時コーヒーハウスといえば男性しか入れませんでしたが、
「ゴールデンライオン」は女性もOK
この画期的なサービスは多くの女性に喜ばれ、またたく間に人気店となりました。
その後、
4代目・リチャード1世が紅茶の関税引き下げに成功すると、
いよいよロンドンに紅茶文化が浸透。
1787年「TWININGS」のロゴを掲げた表門がオープンしました。


●18世紀:イギリスのアン王女によりエレガントな英国流紅茶スタイルの
お茶会が盛んに催された

リッテンハウスホテルのアフタヌーン・ティー

●1721年:イギリスの東インド会社が紅茶輸入の全権を握る
 ●1730年〜:イギリスで次々とティーハウス(ティーガーデン)が登場する


●18世紀中頃から紅茶が全盛となる

紅茶を家庭でも楽しむ習慣がはじまり
主婦を中心に必然的に一家団欒が生まれました


受け皿で紅茶を飲むのはこの頃のマナー
紅茶のお供は、サンドイッチや焼き菓子、スコーン、
マフィン、手作りのパイやプディングなど


●1773年:ボストン茶会事件(紅茶の関税をめぐりイギリスとアメリカで争う)


●1832年:イギリスの植物学者ブルース大佐がインドのアッサム地方で
野生の茶の木を発見する
●以降
アッサムはじめインドの各地およびスリランカに次々と茶園をつくる
イギリスが紅茶市場の鍵をにぎる


●その後
イギリスの東インド会社の茶の独占輸入権が廃止され、自由化される
●この頃
お茶を運ぶ帆船(ティークリッパー)が、運搬の早さを競う競争が激化する




有名な快速貨物船カティーサーク

1869年イギリス・ダンバートンで進水式
スエズ運河の完成で紅茶輸送の大活躍期間は短かった
紅茶以後も羊毛など様々の商品の輸送に携わり
蒸気船との競争に打ち勝ちながらも活躍し続け
1945年に引退し
現在はロンドンのグリニッジに展示されている
Wikipediaより転載




●1834年:イギリス東インド会社が植民地のインドで茶の栽培を開始する
●1840~1842年:アヘン戦争
●1845年:イギリス人フォーチューンが、緑茶と紅茶が製造法の違いで
原料は同じであることを発見
●1867年:イギリス東インド会社が植民地のセイロン(現在のスリランカ)で
茶の栽培を開始する
●1869年:アーサー・ブルックがブルックボンド商会を開店


 ブルックボンド紅茶は
1869年にアーサー・ブルック(24歳)によって創業された
イギリスの紅茶ブランドです。
様々な紅茶をブレンドして同一の品質と価格を保証した紅茶は高評価を得ました。
広告にも手腕を発揮し、優れたポスターや
英国中に「リトル・レッドバン」という配送車を800台も走らせていました。




1984年に英国ブルックボンド社がユニリーバに吸収され、
現在ではリプトンと同じくユニリーバグループとなっています。
日本においても、
2000年にリプトンジャパンとブルックボンド輸入元の
日本紅茶が合併し、BBLジャパンという会社になっています。


●1893年:リプトン社創業
http://www.lipton.jp/

スローガンは「茶園から直接ティーポットへ」
〜セイロン(現在のスリランカ)にアッサムの苗を輸入し成功
〜1895年には王室御用達になり、ヴィクトリア女王からナイトの称号を受ける
〜1906年に日本に初めて輸出
〜2002年にはピラミット型ティーバッグを日本でも採用しました

●19世紀後半に紅茶に合うミルクが登場する




●江戸時代から日本は紅茶(もちろん緑茶も)を輸出していました
1887年:日本に初めて紅茶が輸入される)
しかし結果的に品質が良くないと評価され、明治以降次第に衰退しました
紅茶の葉と緑茶の葉は同じですから、
緑茶を重視すれば、紅茶の品質は劣ったのかも知れません


日本の紅茶の輸出状況


(1888年に初めてのコーヒーハウス「可否茶館」が上野にオープン)
●1895年:セイロンのコーヒー園がサビ病により壊滅し、茶園に変わっていく
●1904年:「ティーバック」が発明される
〜最初にティーバッグを発明したのはアメリカ人トーマス・サリバン
〜便利で早く簡単ということで合理的なアメリカ人に人気を得ました
〜頑固一徹といわれたイギリス人も、今や90%がティーバッグを愛用
〜イギリスの水は硬水なので味は変わらないとは言うけれど・・・
〜因みに「アイステイー」もアメリカ発祥
●1916年:リプトン社は自動包装機を完成しティーバッグの大量生産を開始
〜三角錐型のテトラティーバッグは日本人の発明
海外で人気となり日本に逆輸入
●1924年:東アフリカで茶の栽培が開始される
●1953年:全日本紅茶協会設立





紅茶の味の特徴

磯淵 猛著「世界の紅茶」朝日新書より転載










紅茶のエクストラの楽しみ
食器が楽しみ

1904年ノリタケ創業 (当時は日本陶器)
https://www.noritake.co.jp/



銀座のお店で撮影しました。











カタログから
気に入ったカップをセレクト












最後に・・・
美味しい紅茶の入れ方です

提供:紅茶専門店プレミアスティー





良い紅茶とは
良い仲間をつくり
気分を爽快にし
心をひらき
会話から緊張を取り去り
人との交際において至福の時間を高めてくれる。
《アーサー・ブルック》








参考図書
図版の多くはこれらの書籍から引用しています




 1982年(昭和57年)に発行された本で
36 年間、書庫に置いてあったのですが、
今回、ようやく役立ちました。






2012年発行




村井 康彦著
1979年発行

1980年発行



参考になる
紅茶関連のWEBSITE

全日本紅茶協会
http://www.tea-a.gr.jp/

日本の紅茶
で検索するといくつかのサイトが出てきます
日本の紅茶は有機栽培無農薬の商品が多いので安心です。
今、日本の緑茶が世界中で人気です。
紅茶も(近々)人気者になるでしょう!

紅茶専科
https://london-tearoom.co.jp/

プレミアスティー
https://www.premierstea.com

ロンドンティールーム
https://london-tearoom.co.jp/

ルピシア
https://www.lupicia.com/

トリップアドバイザー
で「紅茶」を検索する
https://www.tripadvisor.jp/Search?geo=1&searchNearby=&pid=3826&redirect=&startTime=1541197488355&uiOrigin=MASTHEAD&q=%E7%B4%85%E8%8C%B6&supportedSearchTypes=find_near_stand_alone_query&enableNearPage=true&returnTo=https%253A__2F____2F__www__2E__tripadvisor__2E__jp__2F__&searchSessionId=E88F129563E61E5A0399F8D51089CE811541197476126ssid&social_typeahead_2018_feature=true&sid=E88F129563E61E5A0399F8D51089CE811541197495703

その他いろいろ・・・

では、
美味しい紅茶をお楽しみください。








まことに、
その人は主(神)のおしえを喜びとし、
昼も夜もそのおしえを口ずさむ。

その人は、
水路のそばに植わった木のようだ。
時が来ると実がなり、その葉は枯れない。
その人は、何をしても栄える。

詩編 1:2〜3
 





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