2011年12月31日土曜日

ライフデザイン:リタイアの生き方(9)

献身・転身

 「全てが不思議な導きでした」。
4年前から、夫婦とも牧師として自宅で教会を始められたKご夫妻の体験談は、
たいへん興味深いものでした。
ご主人は定年前、
息子さんとお嬢さんが献身(キリスト宣教のための働きをすること)を決意し、
奥様が教会の奉仕から自然に神学校の学びへと導かれていくなかで、
退職後どうするか決断が迫られました。

結果的に・・・
工学から神学にシフトする、夫婦一緒に献身する、信仰にあって自由な生き方をすると決断。
退職後は迷いなく神学校へ。
若者との寮生活も体験。卒業してから、海外の神学校で学んで来られた奥様と教会を始められたという訳です。

ずいぶん大きな転身ですが、そこに無理はありません。
「第1の人生はし尽くしました。また神様の召しが何かを祈り続けてきました。そうしたら一歩ずつ神様に導かれて来ました」とKさん。
ご夫婦は、結婚当初から良く祈り話し合ってきました。
その結果が、キリストにしっかりと結び合わされた今の二人なのだと思わされ、私は幸せな気持ちになりました。



 「もともとお年寄りが好きでした」。
製造業の海外営業を40数年、
猛烈社員として突っ走ってきたFさんは、63歳でリタイア。
退職後はテニス三昧の日々を過ごしていました。

その間、教会で社会奉仕活動の事例研究会があり、体験したことのない世界に触れる機会がありました。
また恩師から「これからは人のために生きてみませんか」と言われたことで、自分の人生を振り返っていた折、声を掛けられたのが創立28年を迎えた特別養護老人ホーム施設長の役目でした。

全く新しい世界に飛び込んで・・・
福祉や保険の仕組みを理解することや総勢百名の利用者や職員との対応など、
戸惑うことばかり。
勤めた4年間、「楽しく・明るく・毎日笑顔」をモットーに、
人材育成や環境整備に心がけたと言います。

介護の仕事は「自分たちの利益追求」ではなく、「利用者への満足提供」であり、
毎日お年寄りと世間話しをしたり身の上話しを聞いたりして過ごすことでしたが「実際は自分の方が癒されました」とFさん。

喜べないこともありましたが、
流れに逆らわず、
与えられた事に素直に挑戦していくFさんの生き方に、
私は深い感銘を受けました。



いつも喜んでいなさい。
絶えず祈りなさい。
すべての事について、感謝しなさい。
(1テサロニケ 5:16-18)

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