2011年5月2日月曜日

     DEBRIEFINGを学ぶ

私たちはたくさんの想い出や情報を背中(心の中)に背負っています。
自分ではそれを開いて 不要なモノ(恐れや不安をもたらす事柄)を 捨てることができないのです。
それを捨てるお手伝いを 誰かがしてあげると助かります。
そこで 「話しを聞く」ことによって 不要なモノを捨てるお手伝いをするのです。
DEBRIEFING (de・briefing:仕事の申し送り)とは・・・
極端な非常事態を経験した記憶がトラウマとなって心身の後遺症とならないように 短期記憶から長期記憶へと整理し けじめをつけて転送するお手伝いをすることです。
時計のさまざまな歯車が噛み合わされて 大きな歯車(大きな仕事)を動かすように 小さな問題やショックでも 人には大きな影響を与えることがあります。
今は何でもないのに 半年後に体調を崩すとか 異常が出てくることもあるのです。
DEBRIEFINGは 心理的なカウンセリングではありません。
例えて言えば・・・
(ショックを受けた人)のドアの前に立って ノックしている状態。
その人が YES と言って ドアを開けてくれたら 玄関に入ります。
さらに、その人の許可を得て YES と言われれば 居間に通していただく。
その様にして その方の重荷をひとつづつ降ろして差し上げるのです。
今回の災害にあった方々や 飛行機事故に会われた方々の心のケアをすることで、
トラウマや鬱にならないようにすることを目的にしています。

専門家でない私たちが ショックを受けた方々に接し ただお話しを聞くだけで その方々は癒されていきます。
被災地の避難所にいる方が最も望んでおられることでしょう。
重傷の方には 専門家が対応しますが 実は下記の事を知れば 誰でもできる、と言うことを学びました。
以下 DEBRIEFING のやり方を簡潔にご紹介します。
3つのプロセスで 相手に質問をしながら耳を傾けます。

① FACTS:体験した事実を聞く
・体験した事実に耳を傾ける
・Whyと問わないで 事実を聞く質問をする
② THOUGHTS:体験中や体験後に考えたことを聞く
・その時にどのようなことを考えましたか?
・その体験をしてから何を考えていますか?
③FEELING:体験の感覚的な印象や感情を聞く
・その時の匂い/音/光景はどうでしたか?
・一番いやだったのは どの様な場面でしたか? その時はどんな気持ちでしたか?
・何かストレスを感じていますか?(例えば 疲労感/睡眠障害/怒り /嫌悪感など
★ 最後に
話しのエッセンスを捉えて 「おっしゃりたいことは・・・だったのですね」と控えめにまとめる。慰めや励ましのことばは禁句。

日頃のストレスを軽減するためにも 有益な方法と思います。
誰でもできるとは言っても 多少の訓練と慎重な準備が必要です。
この記事はあくまでも紹介の域を出ませんのでご了解ください。
私が学んだのは以下の方々からです。
Ian McIntosh氏・Richard Benson氏
People Resource Team
The Navigators
(米国ナビゲーター/人的資源チーム・心理学博士)
オーストラリアにて10年以上カウンセラーとして働き、現在は米国ナビゲーターの人的資源チームのメンバーとしてスタッフの心のケアを専門として奉仕しています。

 疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたし(イエス・キリスト)のもとに来なさい。わたしが 休ませてあげよう。
 新約聖書 マタイの福音書 11章:28節



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